社会保険・労働保険の加入

2022.9.20

弁護士 植村 和也

従業員を雇用する場合には、社会保険、労働保険の加入についての検討・対応が必須になります。

① 社会保険

健康保険は、法人の事業所ないし一定の業種(※)であり常時5人以上を雇用する個人事業所で強制適用となっており、適用事業所で働く労働者が加入者となります(パート、アルバイトでも、1日または1週間の労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、通常の労働者の分の4分の3以上あれば加入させる必要があります。)。また、保険料は、事業主と労働者が折半で負担となります。
※一定の業種:製造業、土木建築業、鉱業、電気ガス事業、運送業、清掃業、物品販売業、金融保険業、保管賃貸業、媒介周旋業、集金案内広告工業、教育研究調査業、医療保険業、通信報道業など

厚生年金保険については、健康保険と同様、法人の事業所ないし一定の業種であり常時5人以上を雇用する個人事業所で強制適用となっており、適用事業所で働く労働者が加入者となります(パート、アルバイトについても健康保険と同様。)。保険料も、事業主と労働者が折半で負担となります。

② 労働保険

雇用保険は、事業所規模にかかわらず、①1週間の所定労働時間が20時間以上で②31日以上の雇用見込がある人を雇い入れた場合は適用対象となります。保険料は労働者と事業主の双方が負担となります。
雇用保険の適用対象となる労働者を初めて雇い入れることとなった場合は、保険関係成立に関する手続を済ませた後、事業所を管轄するハローワークに「事業所設置届」、「雇用保険被保険者資格取得届」を提出しなければなりません。

労災保険は、基本的に労働者を一人でも雇用する会社は適用され、保険料は全額事業主が負担します。パートやアルバイトも含むすべての労働者が対象となります。

社会保険や労働保険の加入を怠ると、行政当局からの指導・是正命令の対象となったり、従業員との深刻なトラブルの要因になるので、創業当初からきちんと加入させるようにしましょう。