投資家としては、投下資本を回収するため、投資先について好条件の買収提案があった場合には、これに応じたいと考えることが多いのですが、少数株主や起業家から同意を得られるか分からないことから、あらかじめ投資する段階で、少数株主や起業家が買収に応じることを請求できるようにしておきたいという意向があります。
そこで、投資家が、起業家に対し、投資契約に一定の要件を充足した場合に他の株主に対して買収に応じるべきことを請求できる権利(ドラッグ・アロング・ライト)を定めるよう求めることがあります。なお、少数株主にもドラッグ・アロング・ライトの行使ができるようにしておくためには、少数株主も契約締結の当事者にしなければなりません。
起業家においては、投資家から投資契約にドラッグ・アロング・ライトを定めるよう求められた場合、その行使要件(時期、金額等)について、投資家と十分に協議をして、自己に不利な内容にならないよう留意する必要があります。そのため、弁護士から助言等を受けて対応することが有用です。