資金調達における種類株式の活用

2022.8.20

弁護士 藤田 増夫

議決権のある普通株式のみを前提とすると、起業家と投資家との利害を調整することは難しいのですが、種類株式を活用することにより、当該利害の調整をしやすくなるように思われます。たとえば、投資家が5割を超える議決権を取得することを求めた場合でも、起業家として役員選任権を確保することに限ってよいのであれば、種類株式として役員選任権を定めることにより対応が可能となります。また、少数派株主となる投資家にも取締役1名の選任権を認めることもできます(たとえば、「X種類株式の種類株主総会において、取締役1名を選任することができる」などと定めることになります。)。

このような役員選任権付株式以外にも、剰余金の配当、残余財産の分配、議決権制限株式、譲渡制限株式、取得条項付株式、全部取得条項付株式、拒否権条項付株式なども、株式の内容として定めることができます(会社法107条、108条参照)。

起業家における経営方針を維持しながら、投資家からの資金調達を実現するためには、投資契約の内容だけでなく、種類株式の活用についても検討すべきであると思料します。かかる検討にあたっては、弁護士にも助言等を受けながら検討することが適当です。